転倒事故は病院、施設での最も多いインシデントの1つである。睡眠呼吸障害(SDB)と夜間多尿との関連が報告されている。これは排尿行動を増加させ転倒リスクを増加させると考えられるが、SDB と転倒発生との関係についての検討はみられない。慢性心疾患患者において転倒についての日内変動、季節変動を検討して夜間転倒をインシデントレポートより検討したところ、入院患者の転倒は、11月から3月の早朝に増加し、排泄行動に関連する転倒の傾向があることが示唆された。これらの結果より、特に転倒リスクの高い時間と季節に、排泄行動に関連した細心の注意を払ったケアを提供することが、転倒の発生率を低下させる一助になると考える。
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