研究課題/領域番号 |
26670965
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
木下 幸子 金沢医科大学, 看護学部, 講師 (50709368)
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研究分担者 |
須釜 淳子 金沢大学, 新学術創成研究機構, 教授 (00203307)
松井 優子 金沢医科大学, 看護学部, 准教授 (00613712)
紺家 千津子 金沢医科大学, 看護学部, 教授 (20303282)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 深部静脈血栓症(DVT) / 弾性ストッキング / 医療関連機器圧迫創傷(MDRPU) / 質的記述スケッチ法 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、深部静脈血栓症(DVT)予防用の医療機器である弾性ストッキング(GCS: Graduated Compression Stockings)の着用による圧迫で生じた創傷(MDRPU)の形態的な特徴を明らかにし、発生要因を導き出すことである。さらに対象者個々の下腿の形状としわの状態、GCSの違いによる着用時着圧を調査することで、個々に適したGCSの選択の基準を含めた予防ケア基準を開発することである。まず、GCSの着用によるMDRPU発生要因の抽出を行うために、過去の診療記録のGCSによるMDRPUの写真から質的記述スケッチ法を用いて、その患者の創の形態的特徴と発生要因の分析を行なった。質的記述スケッチ法は、現象を質的に記述することにより、観察された事象から本質的要因を抽出する(看護理工学、2015)方法であり、発生要因の分析につながる。その結果、創の形態的特徴は、部位では骨や腱などの突出部、関節可動部、それ以外の軟らかい皮膚の3つに、形状では不正形、線状、円・楕円形の3つにそれぞれカテゴリ化ができた。このようにカテゴリー化できたことから、脛骨にかかるGCSの圧迫、ひふく部にかかるしわの特徴が抽出できた。さらに、個体要因では末梢循環障害と浮腫、ケア要因では観察不足、誤ったケアが要因として抽出できた。ただし、機器要因の抽出については、調査対象は1種類のGCSのみを使用していたことから、さらなる調査が必要であった。そこで、健常人を対象に、下腿の形状と汎用されている4種類のGCSによる着圧、しわ、軟らかさなどの特徴の確認が必要となり、着圧の測定に、ピコプレスを用い実施した結果、まだ数例であるが使用するGCSの種類に差異があることが示唆された。また、皮膚の厚みや浮腫の測定にエコーを用いることの有用性も検討した。今後調査結果をまとめる予定である。
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