研究課題/領域番号 |
26670966
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研究機関 | 日本福祉大学 |
研究代表者 |
長江 美代子 日本福祉大学, 看護学部, 教授 (40418869)
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研究分担者 |
服部 希恵 日本福祉大学, 看護実践研究センター, 客員研究所員 (00310623)
外ノ池 隆史 愛知学院大学, 心身科学部, 教授 (00710972)
田中 敦子 日本福祉大学, 看護実践研究センター, 客員研究所員 (70398527)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | サイコネフロロジー看護 / ケア / 自殺 |
研究実績の概要 |
HOSPY透析グループの7つのクリニックで勤務する、患者の自殺に関わった経験を持つ看護師6名/グループ、月1回合計10セッションのサポートグループを実施した。本研究3グル―プ目であり、合計18名(6名×3G)の看護師が参加した。質的分析の結果、精神・心理的問題を抱える透析患者の対応の困難さは、看護師自身の感情に気づかないことによる患者との率直なコミュニケーションをとることの困難さであった。サポートグループは看護師の感情表出、感情吟味を促し、透析患者とのコミュニケーションや患者理解に貢献できると考える。サイコネフロロジー看護師養成プログラムは、講座10時間と事例演習10時間の計20時間で構成されている。サポートグループを修了した看護師はレポートを提出し、講座と演習の受講に進んでいる。 介入群(金山クリニック)117名とコントロール群(東海クリニック)119名のKDQOL-SF Ver.1.3のデータについて分析中である。 参加患者の自殺リスクデータについては、対象病院所属の看護師により収集され、PCへデータ入力中である。現在プログラム修了者は10名である。サイコネフロロジー看護師養成のための事例検討を月1回実施している。2016年11月より、サイコネフロロジー看護師10名と修了予定者12名によって作成された自殺予防介入体制を介入病院で開始した。介入ケースは現在1ケースである。体制導入後に再度KDQOL-SF Ver.1.3で調査して、介入や体制の効果を測定し、評価する予定であったが、導入後の調査には1年間の実施期間が必要であり、研究機関を延長した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
サイコネフロロジー看護師養成プログラムの一環として、サポートグループ(1グループ6名/10回/年)を3グループ(18名)実施した。プログラムは講座10時間と事例演習10時間の計20時間で構成されており、サポートグループを修了した看護師は12名がレポートを提出し、6名が10項目の心のケア基礎講座と、事例検討などの演習10時間を受講した。すでにサイコネフロロジー看護師プログラムを修了した10名が中心になって、自殺予防介入プロトコルと体制づくりが実施され、マニュアルが完成し、2016年11月に体制が導入された。導入前の研究参加病院に通院している患者の質問紙調査(KDQOL-SF Ver.1.3)は終了し、データを分析中である。現在介入プロトコルの適用は1ケースにとどまっている。本年度に体制導入後の再調査(KDQOL-SF Ver.1.3)実施予定であったが、導入が遅れたことで、1年間研究期間を延長した。
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今後の研究の推進方策 |
自殺予防介入体制導入後の再調査(KDQOL-SF Ver.1.3)を11月に実施し、前後で比較し体制を評価する。サポートプログラムを修了した18名の看護師を対象に、サイコネフロロジー養成プログラムの10項目の心のケア基礎講座と、事例検討などの演習10時間を受講ししていただく。 透析患者のQOL向上と自殺リスク改善がサイコネフロロジー養成プログラムのアウトカム指標を、量的、質的に分析し評価する。
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次年度使用額が生じた理由 |
質問紙調査は介入前後で実施するが、病院での自殺支援体制や介入プロトコルの実施に時間がかかり、導入が遅れたため、研究機関を延長した。
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次年度使用額の使用計画 |
質問調査(236名)の質問紙、謝金、交通費。研究成果発表のための交通費、学会参加費など。研究チーム会議や事例検討会の会議費(各月1回)などに使用予定である。
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