研究課題/領域番号 |
26670970
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
古谷 佳由理 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (90222877)
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研究分担者 |
野中 淳子 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 教授 (00279796)
小林 千恵 筑波大学, 医学医療系, 講師 (50593604)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 小児慢性疾患患者 / ヘルスリテラシー |
研究実績の概要 |
青年期にある小児慢性疾患患者のヘルスリテラシーの実態を明らかにすることを目的として質問紙調査を行った。 対象となる者231名に質問紙を配布し、3月現在208名から回答を得ている。そのうち、選定基準を満たさない4名、未回答項目が多い3名、精神疾患や発達障害を指す診断名の回答があった2名を除外し、199 名を分析対象とした。 回答者の背景は、男性が103名、平均年齢は19.0歳(SD=3.9)であった。診断は、心疾患が最も多く60名、血液疾患51名であった。診断時年齢は、平均5.9歳(SD=5.2、range:0~18)であった。現在の段階におけるヘルスリテラシーの関連要因に関する分析結果として、「調査時年齢」「診断時年齢」「生活状況」「現在の職業」「最終学歴」「診断名」「メディアリテラシー」および「対象関係」でり、ヘルスリテラシーは、主体的な健康管理を構成する、「病気の認識」「自立した受診と疾患管理」「青年期に必要な知識とコミュニケーション」との間に正の相関関係が認められている(r= .589~ .662)。 この結果を受け、ヘルスリテラシーが高い者6名を対象者に、各対象者の経験および認識について問う半構造化面接を実施した。 対象者の背景は、20~23歳、診断は、心疾患2名、血液疾患4名だった。「ヘルスリテラシーの状況」として【健康情報を獲得する意欲】【インターネットの利用】などの8カテゴリー、「病気の認識」として【病気への気づき】【病気を知る】などの6カテゴリー、「自立した受診と疾患管理」について【親による疾患管理】【自分で行う疾患管理】の2カテゴリー、「青年期に必要な知識とコミュニケーション」について、【医師への信頼】【医師への疑い】などの3カテゴリーが抽出された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
小児慢性疾患患者へのアンケート調査がほぼ終了し、ヘルスリテラシー獲得に関連のある要因を持つ対象者へインタビュー調査が進行している。
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今後の研究の推進方策 |
慢性疾患患者のヘルスリテラシーの実態が明らかとなったが、一般データがないため健康な同年代者を対象としたアンケート調査を実施する予定。 その結果と比較をすることで、青年期のヘルスリテラシーの特徴と小児慢性疾患患者のヘルスリテラシーの特徴が明らかにすることが可能となる。
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次年度使用額が生じた理由 |
共同研究者がインドへの学会に出席することができなかったため、旅費に大きく差額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
健康な同年代者へのアンケート調査のための依頼、回収費用、データ入力補助者費用として使用。また、学会発表旅費ならびに論文作成、投稿費用として使用予定。
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