研究課題/領域番号 |
26670970
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
古谷 佳由理 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (90222877)
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研究分担者 |
野中 淳子 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 教授 (00279796)
小林 千恵 筑波大学, 医学医療系, 講師 (50593604)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 小児慢性疾患患者 / ヘルスリテラシー |
研究実績の概要 |
成人移行期にある小児慢性疾患患者のヘルスリテラシーを高める要因を明らかにすることを目的に、15歳から30歳の慢性疾患患者242名に対して質問紙調査を行い、ヘルスリテラシーとメディアリテラシー、対象関係、対象の特性、成人移行の準備の関係について、パス解析によるモデルの検証を行った。その結果、ヘルスリテラシーはメディアリテラシー、対人交流の影響を受け、成人移行の準備が促進されることが示された。さらに、ヘルスリテラシーが高い要因を持つ6名に対してインタビュー調査を行い、ヘルスリテラシーを高めることにつながる体験の分析を行った。その結果、ヘルスリテラシー向上につながる体験として、【情報源を選別し情報の信憑性を判断する】、【相手との関係に応じた伝え方を試みる】、【小児科医に頼りつつも自立した健康管理を模索する】、【病気を通した親との信頼関係を基盤に自立しようとする】、【病気であることを認識し自分のこととして受け止める】が抽出された。 さらに、彼らの特徴が小児慢性疾患に関係するものかどうかを検証するために、健康な対象者のデータを得るために、大学生と高校生に質問紙調査を実施した。2017年3月現在、116名の大学生から回答を得ている。2017年の学会発表にエントリーをしているが、その結果、ひとり暮らしをしていることがヘルスリテラシーを高めることに関連があることが明らかとなっている。高校生のデータは現在質問紙回収中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
高校生、大学生へのアンケート調査を計画し、倫理審査後に対象校への依頼を行い、アンケート調査の実施を行っているが、対象校との調整に予想外に時間がかかったため。
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今後の研究の推進方策 |
慢性疾患患者のヘルスリテラシーに関しては、結果がまとまったため、論文投稿を予定している。 大学生と高校生を対象とした質問紙調査を継続し、健康な大学生、高校生のヘルスリテラシーの特徴を明らかにする。 当初、尺度開発を目的としていたが、チェックリストなどが発表されたため、小児慢性疾患患者と健康者との比較を行い、ヘルスリテラシーの特徴やヘルスリテラシー獲得のための方策を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
慢性疾患患者との比較検討が必要となり、健康高校生、大学生へのアンケートを実施したが、対象校の窓口の先生方との調整に予想外に時間がかかり、依頼を行う時期が遅くなってしまった。特に、高校生は、大学受験があったため、2016年度後半にはアンケートが実施できず、2017年度に入ってから実施可能となったため、2016年度中に終了することが困難な状況であったため、使用額に差額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
建国高校生、大学生を対象としたアンケート結果の集計及び分析を行い、研究成果をとりまとめ、発表する。 また、小児慢性疾患患者との比較を行い、学会発表ならびに論文の投稿費として使用予定。
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