A県内の注意欠陥/多動性障害(attention deficit/hyperactibitity disorder;AD/HD)の子どもの養育者に対して,看護師中心のペアレントトレーニングチームがぺアレントトレーニングを実施し、その前後で子どものQOLや子どもからみた親の行動の変化,親の子育てストレスを量的に明らかにするとともに,ペアレントトレーニングを家庭で実践し,その時いかなる感情を抱いたのかという養育者の思いを質的に明らかにすることを目的にした調査を行った。 この目的のために,26年度からA県内の小児神経専門医からペアレントトレーニングが必要な子どもの紹介を受け,看護師が中心となり医師・臨床心理士とともにチームを作り,ペアレントトレーニングを実施する体制を整えた。 12名の紹介を受け,3名ずつのグループでペアレントトレーニングを実施した。「子どもの気持ちに沿って返事をしてないこともいっぱいあったのかなって思った。」、「誉めれば笑顔を返してくれるし、怒れば怒って反応してくる。子どものせいというより親の対応が大事。」など【子どもへの関わり方の反省】や【よりよい対応への気づき】がありながらも、【うまく対応できない葛藤】に苦労していた。プログラムの実践により【子どものよい反応による喜び】を感じていることが分かった。子育てストレス尺度(PSI) 総合得点では、ペアレントトレーニング開始前よりペアレントトレーニング後には11名中7名の母親の育児ストレスが減少した。子ども自身が評価したQOL尺度の「家族」の下位項目では、ペアレントトレーニング開始前よりペアレントトレーニング後には10名中7名の得点が改善した。
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