研究課題/領域番号 |
26670979
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
渡邉 竹美 山梨大学, 総合研究部, 准教授 (90279919)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 助産師 / 分娩進行 / 経験知 / 助産モデル |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,助産師が分娩進行を判断・予測している経験知を検証し,経験知をベースにした分娩進行を予測するアセスメント・ツールの開発である. 今年度は,経産婦を対象に分娩進行を観察し,助産師が分娩進行を判断・予測している経験知を検証するためのデータ収集を実施した.研究協力施設(2施設)に勤務し,2年目以上の助産師20名の協力が得られた(研究協力助産師).研究協力助産師に対する研修会は延べ7回実施した.研究協力助産師が行うデータの信頼性を確保するための手続きは,静止画を用いた一致度(κ係数)の算出と分娩経過の観察による級内相関係数(ICC)を算出した.κ係数は0.90,ICCは0.69~0.99であり高い一致率が得られた. 11月より単胎・頭位・経腟分娩が可能な日本人の経産婦を対象にデータ収集を開始した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
データ収集は10月~3月までの6ヵ月の予定であったが,11月よりデータ収集を開始し,3月末までに173件のデータ収集を行った.173件のうち,分娩第1期と分娩第2期を自然な陣痛で経過し,かつ自然分娩であった事例は101件であった.分析に必要なデータ数を得るために5月末までデータ収集期間を延長する予定である.
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度は,5月までデータ収集を継続し,その後データ分析を行う.分析方法は,観察項目,陣痛周期,子宮口開大度,先進部下降度について,それぞれ95%信頼区間を算出,観察項目と陣痛周期,子宮口開大度,先進部下降度の関係は,Spearmanの順位相関係数を算出する.分析結果をもとに経産婦のアセスメント・ツールを作成する.先行研究の初産婦のアセスメント・ツールと合わせて経験知を可視化し,経験知をベースとしたアセスメント・ツールを作成する.
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次年度使用額が生じた理由 |
データ収集に協力した2施設の助産師に対する謝礼は,データ収集終了後の予定である.また,データ分析に必要な統計ソフトが未購入である.
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次年度使用額の使用計画 |
データ収集に協力した助産師への謝礼,データ分析のための統計ソフトの購入,研究成果の公表のための旅費等を予定してる.
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