研究課題/領域番号 |
26670980
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
我部山 キヨ子 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20243082)
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研究分担者 |
千葉 陽子 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (80432318)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 社会的ハイリスク / 妊産婦 / 血中コルチゾール / EPDS |
研究実績の概要 |
目的:社会的ハイリスク妊産婦のpsychological distress・ストレスホルモン・親となる発達との関連について調査した。 方法:研究デザイン:コホート研究、縦断調査。単胎妊婦84人とそのパートナー45人に、縦断調査(妊娠中期・末期・産褥入院中・産後1カ月)を行った。調査項目は血中コルチゾール、新版STAI・EPDS(エジンバラ産後抑うつ自己評価表)・育児動機評定尺度・夫婦関係満足度尺度などである。分析:社会的ハイリスク群とローリスク群で2群比較を行った。 結果:①社会的ハイリスク群・ローリスク群の妊産婦ともに、妊産婦のストレスに関する客観的指標(血中コルチゾール)と主観的指標は関連が低く、独立した因子であった。②社会的ハイリスク群は妊娠中期と産褥入院中の2時点でEPDSが上昇した。③社会的ハイリスク群は妊娠中期・産褥入院中ともに、EPDSと特定不安で有意で強い正の相関を示した。 ④社会的ハイリスク妊産婦の中期・末期・産褥入院中の3時点で夫婦関係満足度が有意に低値であった。⑤社会的ハイリスク群の中期のEPDSには、パートナーの中期の特定不安・育児動機・対児回避得点・夫婦関係満足度が関連した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本調査は妊娠期から産後3カ月までに女性とパートナーの育児支援プログラムの開発を目指している。現在は社会的ハイリスク妊産婦が増加しているため、今年度の対象は社会的ハイリスク妊産婦とした。妊産婦は対象として捉えることは可能であるが、パートナーについては主観的指標(アンケート調査)は可能であったが、客観的指標(血中コルチゾール測定)については依頼が困難であり、評価を2とした。
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今後の研究の推進方策 |
1.今後は、平成27年度に行った調査のさらなる分析を進め、論文作成を行う。 2.現在行政などに支援を行っている産後入院のシステムの調査と研究を進める。 3.現在の情報システムとして育児支援をネットなどを利用して行うために、妊産婦を対象としたニーズ調査を行い、育児支援プログラムの開発を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
客観的指標として、血中コルチゾール測定を妊産婦とそのパートナーにする予定にしていたが、パートナーにはできなかったので、その予算を使用しなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度は、ネットを使用した規模の大きい調査を予定しており、それに使用する予定である。
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