本研究では,法橋が開発した家族同心球環境理論に立脚したSFE(家族環境評価尺度)をはじめとする様々な家族アセスメントツールを用いて,現代の日本人家族における家族機能不全状態と家族支援ニーズを診断可能なカットオフ値を明らかにした.このカットオフ値は,家族システムユニットの成長・発達区分(20家族区分)別に算出した.これにより,多様な家族の様相を系統的に把握し,各区分における家族機能不全状態と家族支援ニーズの高い家族を定量的にスクリーニングすることが可能となり,より個別性が高い家族のウェルビーイングの実現に資するゴールドスタンダードを確立できた.
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