平成28年度の研究概要は以下の通りである.
前年度までの研究成果に加え,さらに聞き取り調査を重ねた結果に基づき,子どもを産まない世代の女性たちに生じている健康課題について検討を重ねた. 最終年度である平成28年度は,研究全体の総まとめを行い,男女雇用機会均等法後のいわゆる「均等法世代」に特徴的な,職業をアイデンティティとする女性たち,なかでもその多くを占めているであろう「子どもを産まないでそのアイデンティティを獲得した女性たち」に焦点をあてて,その健康課題を検討した.また,この作業と並行して,研究成果の一部を第18回日本母性看護学会学術集会(演題:ジェンダーに侵略されたリプロダクティブ・ボディ:「少子化世代」の女性たちに対する聞き取り調査から)および第31回日本保健医療行動科学会学術集会(演題:「生殖から離れている身体」の健康支援)で報告し,看護学/助産学のみならず社会学や文化人類学などの学際的見地からの示唆を得た. 得られた示唆を踏まえ,現在,書籍の執筆に着手している.これによって本研究課題の成果を公開する見込である.
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