本研究の目的は,抗がん薬のひとつであるcyclophosphamide(CPA)の内服または静脈注射によるがん化学療法をうけた患者とその同居家族を対象として,曝露の有無を確認することである.方法:CPA内服薬の治療を受けた患者Aと患者Bは内服後約3日間に採取したすべての検体からCPAが検出された.患者Aの家族からの検体からはCPAは検出されなかった.CPAの静脈注射を受けた患者Cと患者Dそれぞれ20検体と15検体全てからCPAが検出され,患者Cの家族2名のうち1名から,患者Dの家族3名のうち2名から検出された.結論:注射によるCPAの抗がん薬治療を受けた患者の家族の曝露が認められた.
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