研究目的:3年間の研究では、高齢期の健康管理の一つに安楽をあげ、リラクゼーションの効果を持つフットマッサージを用いて、不定愁訴や疼痛・苦痛感の軽減・下肢の安定性を向上することを目的とした。地域在住高齢者を対象にして、循環器・足底圧力分布測定装置・血流測定器による測定と解析を行った。研究方法は、フォットマッサージは、研究協力者の足指尖端部から膝下部まで循環に沿って左右毎に各5分の圧刺激を加えた。結果は、血液循環量は前脛骨静脈部で下肢の末梢血液循環を測定し平均4.6mbt増加した。フェイススケールは快方向に変化して足の痛みや苦痛感は緩和した。しかし、研究協力の期間より前に、転倒を経験した高齢者が1名、研究依頼期間に生活場面で転倒した者が2名あった。活動性が高い高齢者であっても安全な生活動作や健康管理の課題が明らかになった。また、学会発表の際に、血圧測定の方法について指摘を受けた。生活動作に伴う血圧の変化を測定したが、研究期間を1年延長し、追加の測定を行った。血圧測定は起立検査を用いたが①「椅子から立ち上がる」方法であり、臨床診断の方法②「臥位から立ち上がる」と異なった。このため疾患のない女子大学生10人の協力を得て、①②の方法で血圧・循環器のデータを収集した。測定室で温度26度湿度60%午前10時~11時に行い生理中の者は除外した。安静と起立時の血圧上昇は①②の方法で平均5mmhg上昇し、その後、起立した姿勢で低下した。生活動作としては、椅子に座った姿勢から立ち上がり姿勢をとる方法で、血圧の変化を評価できると考えられた。
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