研究課題/領域番号 |
26671018
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
佐々木 八千代 大阪市立大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (10382243)
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研究分担者 |
白井 みどり 大阪市立大学, 大学院看護学研究科, 教授 (30275151)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 高齢者 / 聴力 / 認知機能 |
研究実績の概要 |
地域で生活する高齢者の聴力と認知機能、生活機能との関連を明らかにするために、2つのコホート研究を計画し、調査を実施した。 1.今年度は新たに離島で生活する高齢者を対象に、聴力と認知機能(ファイブ・コグ)、生活機能(自記式質問紙、ロコモ度チェック)を調査した。コホートの新規登録者は、男性23人、女性42人の計65名であった。平均年齢は、男性74.9(±6.5)歳、女性76.4(±6.9)歳であった。右耳の聴力レベルが中重度難聴であるものは29.3%で、左耳の聴力レベルが中重度難聴であるものは30.8%であった。中重度難聴者のうち、同意が得られた6名には家庭訪問を行い、生活上の困難や難聴不自由度、認知機能検査(MocCa-J)などの聞き取り調査を実施した。現在、データ入力、対象者への結果返却を終えている。今年度は、調査依頼文書を配布し、調査協力の意向がある高齢者からの返信により対象者を登録し、さらに、調査実施の1ヶ月前に調査日時の案内文書を送付した。しかし、調査時に対象者の方々から、調査に協力するための手続きが煩雑であること、調査日時の案内が1ヶ月前では早すぎるなどの意見があった。次年度は地域の特性に合わせて、協力者の募集や調査日時の案内方法などを検討する必要がある。 2.昨年度に引き続き、A県内の4つのリハビリテーション施設に通所する要支援高齢者を対象に聴力と認知機能(MoCA-J)、生活機能(自記式質問紙)を調査した。今年度の新規登録者は122名で、追跡対象者は55名であった。現在は、対象者への結果返却作業および入力作業中である。対象者の登録は今年度で終了し、昨年度と今年度の新規登録者のデータをベースラインデータとして解析する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
離島で生活する高齢者を対象としたコホート研究を開始し、中重度難聴者への訪問調査を実施できたが、登録者が少ないため、次年度以降も登録者を募集する必要がある。 A県内の4つのリハビリテーション施設に通所する要支援高齢者の調査では、今年度で新規登録は終える予定であるため、ベースラインデータの解析は実施できるが、今年度の新規登録者が122名いたため、それらを含めた追跡1年後のデータ解析が実施できない。
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今後の研究の推進方策 |
離島で生活する高齢者を対象としたコホート研究の登録者を増やすために、対象者の募集方法を検討し、調査を実施する。 A県内の4つのリハビリテーション施設に通所する要支援高齢者の調査では、ベースラインデータを解析する。また、2018年度の追跡調査を実施し、それらのデータをもとに、追跡1年後と2年後のデータ解析を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究中断(平成27年5月9日~28年6月30日)により、研究期間を平成31年3月31日まで延長しており、次年度にも調査を実施するため。 次年度は、離島で生活する高齢者を対象としたコホート研究の2年目調査とデイケア施設でのコホート研究の3年目調査を実施する。 ベースライン、追跡1年目、追跡2年目のデータを用いて、聴力と認知機能、生活機能との関連について解析する。
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