1.A県内の4つの介護予防リハビリテーション施設に通所する高齢者を対象とした研究:研究への新規登録者は、平成29年の1回目調査では195名、平成30年の2回目調査では109名の合計304名であった。そのうち、1名が認知機能検査を受けておらず、26名が調査票未提出である。対象者は女性が195名で男性が108名であった。認知機能低下者の割合は女性(70%)と比べて男性(79%)が多かった。ロジスティック回帰分析により性年齢の影響を調整した認知機能低下と聴力との関連を示す。男性と比べて女性では、認知機能低下がある者が有意に少なかった(OR=0.47)。また、年齢が上がるほど認知機能低下がある者が多く、56-78歳を基準として、85歳以上では4.46倍であった。本年度は、平成31年3月に追跡調査のみを実施し、77名の同意を得ている。結果返却準備と入力作業を進めているが、調査票の提出がまだのものもおり、解析については調査票の提出完了後となる予定である。 2.離島で生活する高齢者を対象とした研究:平成29年度に引き続き、平成30年10月29日-11月2日に調査を実施した。約650世帯に配布し、92人の申し込みがあった。実際の調査には74人が参加した。昨年度からの追跡対象者は29人、新規登録者は45人であった。右聴力の健聴の高齢者は、全体で27.4%であった。中程度難聴と高度難聴は全体で71.2%であった。重度難聴は1.4%であった。左聴力の健聴の高齢者は、全体で36.1%であった。中程度難聴以上の人は、全体で63.9%であった。この研究については、今後もコホートを継続する予定である。
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