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2015 年度 実施状況報告書

東日本大震災による精神科医療の崩壊とシステムの再構築:「語らい」による事例研究

研究課題

研究課題/領域番号 26671020
研究機関高知県立大学

研究代表者

中山 洋子  高知県立大学, 看護学部, 教授 (60180444)

研究分担者 大川 貴子  福島県立医科大学, 看護学部, 准教授 (20254485)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード東日本大震災 / 精神科医寮 / 災害看護学
研究実績の概要

本研究は、東日本大震災によって壊滅状態に陥った福島県浜通りの精神科医療システムを再構築していくプロセスを「語らい」という方法を用いてその時々の状況を再現し、それを事例としてまとめていく事例研究である。本年度は以下の内容(調査)を実施した。
1.<精神病院(事例A)>:研究代表者、研究分担者、連携研究者とともに、研究協力の承諾を得た精神科病院の看護部長と被災当時の精神科病院の状況について振り返り、語らった。看護部長には、被災当初の状況から今日に至るまでの5年間の精神科病院の変遷についても語っていただき、病院の震災当初から5年間の状況を把握することができた。病棟で患者とともに被災した看護者の体験については、時期的な問題もあって本年度は実施できなかったため、研究実施期間を延長して、平成28年度に行う予定である。
2.<地域(事例B)>:被災地である相双地域で壊滅状態になった精神科医療の困難状況の中で、何とか精神科医療サービスをつなぎ、提供し続けた医療保健従事者に対して、研究代表者と研究分担者によるインタビューと語らいを実施した。研究協力に同意し、インタビューおよび語らいに参加してくれたのは、震災当時の相双保健所保健師および専門薬剤師、公立相馬総合病院事務職員、相馬市保健センター保健師、南相馬市保健センター保健師、新地町保健センター保健師で、総計14名であった。インタビューおよび語らいのデータは整理ししつつあるが、そのまとめとして、相双地域の精神科医療に震災当初からかかわり続けた福島県立医科大学こころのケアチームの語らいを計画していたが、平成27年度までに終えることができず、次年度に持ち越すことになってしまった。
今後は、データを整理しながら、事例A、事例Bとしてまとめていく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究では、実際に被災した専門職や行政職の方々と語らいながら被災状況を明らかにし、それを系統だった事例として構成していく作業を行っているが、語る方々が被災者であることから、時期や状況などを慎重に選ぶ必要があり、また、時間経過とともに職場の異動等もあって、データ収集に時間を要してしまった。そのため、データ収集に遅れが出てしまい、分析およびまとめも遅れることになった。

今後の研究の推進方策

事例Aについては平成28年9月頃までに「語らい」の場を設定し、震災を経験した看護師の語らいを終える予定である。事例Bについては、できるだけ早い時期に、福島県立医科大学こころのケアチームの語らいを終え、事例としてまとめる予定である。

次年度使用額が生じた理由

事例Aの精神科病院における語らいが継続となっていること、事例Bにおいては、福島県立医科大学こころのケアチームの語らいが残っているので、その費用が必要となる。

次年度使用額の使用計画

物品費 56,455円 旅費 300,000円, テープ起こし代 150,000円の使用を計画している。

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公開日: 2017-01-06  

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