研究課題/領域番号 |
26671022
|
研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
小川 典子 順天堂大学, 保健看護学部, 准教授 (30621726)
|
研究分担者 |
岩清水 伴美 順天堂大学, 保健看護学部, 准教授 (60516748)
藤尾 祐子 順天堂大学, 保健看護学部, 准教授 (60637106)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 地域医療連携 / ナイチンゲール / 在宅看護 / IPEモデル |
研究実績の概要 |
平成26年度は、ナイチンゲールの在宅看護の原理を盛り込んだIPEモデルの構築という第一段階の研究レベルに重点的に取り組み、研究全体の基盤を確立した。 1.ナイチンゲールが語った在宅看護の理念に関してテキストマイニング分析によって原文文献毎に測定し、構造を立体的に可視化した。またこれまで着手してこなかった初期文献についても新たに翻訳し、連携理念について考察し、ナイチンゲール研究学会において研究指導協力者とともに発表した。さらに、これまでの自分自身のナイチンゲール研究成果と現場で培った在宅看護経験とを結びつけ、現在につながるナイチンゲールの在宅看護理念について論文を発表した。この論文を基にして本研究の基盤となる連携理念について研究者間で共通理解した。 2.本学の1回生から実施している地域医療連携から訪問看護までを連携プロセスとして体験する在宅看護実習のIPEプログラムに関して、質的デザイン(テキストマイニング手法)および量的デザイン(解析ソフトSPSS)により検証し、論文を作成した【投稿中】。 3.IPEモデルの構築ステップとして、研究者らとTeam-based learning(TBL)を活用したIPEモデルに関する医学教育セミナーやワークショップに参加し、IPEモデルについて研究者間で協議し共通理解した。また地域を巻き込んだ保健医療福祉のIPW現任者である地域医療連携室退院調整看護師グループとの会合を2回開催し、地域医療連携および連携理念に関するディスカッションを試みることによって、次年度に展開する予定のIPW調査研究に関する助言を得た。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の遂行プロセスであるナイチンゲールの在宅看護の原理を盛り込んだIPEモデルの構築という第一段階の研究レベルはおおむね順調に進展し達成できている。研究計画の各ステップ毎に研究目的はほぼ予定通り達成している。 ナイチンゲールの在宅看護の原理の抽出やその成果を現状と照らし合わせてまとめあげ論文を作成した。さらに本学の1回生から実施している地域医療連携から訪問看護までを連携プロセスとして体験する在宅看護実習のIPEプログラムに関して、質的デザイン(テキストマイニング手法)および量的デザイン(解析ソフトSPSS)により検証し、論文を作成した。これらの論文を基にして、研究チームは本研究の基盤となる連携理念についての理解を深め、文献検討や研究方法に関する理解も、おおむね達成できている。
|
今後の研究の推進方策 |
27年度はIPWにおける理念と具体策の解明という次のレベルの研究に着手していく。26年度の研究成果を踏まえ、保健医療福祉のIPW現任者グループとの会合を重ね、在宅看護に向けての連携・協働の理念、および連携・協働を促進するための具体策や阻害要因・促進要因に関してインタビューおよび質問紙調査によって具体的なIPW理念を導き出す調査研究に着手する。テキストマイニング手法でIPW理念を測定し、ナイチンゲールの理念と比較し、連携理念の普遍性・有効性を検証する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
26年度はナイチンゲールの在宅看護の原理の抽出の実施や論文作成、またIPEモデルに関する研修参加等により本研究に対する研究者間の共通理解の確立に重点を置いた。テキストマイニングソフトに関しても更新料のみの支出だったため経費が削減および節約できた。次年度は、大掛かりな調査研究の謝金や事務経費が掛かり、急な支出も予想されるために、今年度分を次年度に繰り越したいという気持ちが働いたため。
|
次年度使用額の使用計画 |
次年度は保健医療福祉のIPW現任者グループとの会合を重ねて、インタビューや質問紙調査などの実働調査研究が中心課題となり、調査謝金や交通費、通信郵送費及び会場費、事務経費等が掛かり、急な支出も予想されることが見込まれる。
|