研究課題/領域番号 |
26671023
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研究機関 | 京都光華女子大学 |
研究代表者 |
櫻庭 繁 京都光華女子大学, 健康科学部, 教授 (20114283)
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研究分担者 |
高山 直子 医療法人大峯会(高山メディカルクリニック医療技術部臨床検査研究室), 高山メディカルクリニック, 医師 (10098535)
矢吹 明子 京都光華女子大学, 健康科学部, 講師 (20310633)
清水 純 京都光華女子大学, 健康科学部, 助教 (40709036)
村瀬 由貴 京都光華女子大学, 健康科学部, 助教 (50710422)
山本 美輪 鳥取大学, 医学部, 教授 (70353034)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 精神科臨床検査 / 老年期 / 看護介入 / 初診患者 / 不安 / NIRS |
研究実績の概要 |
本年度は、研究分担者の施設であるメディカルクリニックにおいて、研究代表者、研究分担者、連携研究者で月に1回程度のミーティングを行い、アンケート用紙の作成、データ収集・分析を行った。また、27年度のNIRS検査実施のための基礎データ収集準備期間として、研究計画の修正や追加を行った。 アンケート用紙は、患者のストレスや気持ちの変化を徳田によるTMS(Temporary Mood Scale 一時的気分尺度)の6つの尺度(①「活気」②「疲労」③「怒り」④「抑うつ」⑤「緊張」⑥「混乱」)によって作成した。調査方法は、精神病群(統合失調症やうつ病、躁うつ病などの気分障害)と非精神病群(不安障害、自閉症スペクトラム疑いなど)の患者28名の心理検査時(WAIS・TEGなど)ならびに身体検査時(腹部エコー・脳波・心電図など)の検査前後におけるストレスや気分の変化を調査した。性別や年代、疾患、心理・身体検査の種類を属性として、平均・標準偏差・標準誤差を算出した。これにより検査後は、ポジティブな気分変化が見られた。また、データを統計学的に分析(検定)した結果、性差では女性、年代では20~40代、非精神病群などで「疲労」「怒り」「抑うつ」「緊張」に一部ポジティブな有意差(統計学的有意水準P<0.05)を認めた。 さらに、精神科初診患者が心理・身体検査に対して、どのような不安やストレスを持っているのかといった内容を具体的に把握し、効果的な看護介入の方法を検討する必要があり、前述した結果と照らし合わせながら、追加のアンケート調査用紙作成の準備を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の目的は、「老年期の精神科臨床検査における看護介入の有用性の検討」である。研究対象者は、老年期にある精神科受診患者であるが、今のところ研究目的に該当する研究対象者の確保はごく少数である。このため、研究対象者を視野に入れた研究の進行と継続が必要である。 また、検査前後の不安について性別や年代、疾患などによってポジティブな有意差が見られたために、研究対象者の増加を踏まえた研究計画の修正が必要である。27年度は、NIRS検査実施を研究計画に挙げていることから、被験者(NIRS測定者)の疾患や性別、年代・心理および身体検査内容などの絞り込みを継続して行っている段階である。
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今後の研究の推進方策 |
26年度の研究計画の総括を踏まえて、NIRS測定者の選定・実施、検査時における効果的な看護介入の方法の検討などを研究計画に取り入れながら、実施する予定である。また、研究代表者、研究分担者、連携研究者で月に1回程度のミーティングを継続して行っていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は、研究計画の修正や追加、アンケート作成や調査を中心に行ったため、総じて支出は予算より減じた。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は、NIRSを測定しデータを収集するに当たり、特にNIRS機器のレンタル料金や研究メンバーの学会参加などの費用がかかることが予想され、26年度の未使用額と27年度の予算を合算して使用する予定である。
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