研究課題
今年度は、QIツールを確定させ、訪問看護ステーションおよび、施設に導入し、その効果および実現可能性を評価することを目的とした。まず、QIツールを確定させ、訪問看護ステーションおよび、施設に導入し、その効果および実現可能性を評価した。訪問看護ステーションにおいて、QIツールを2事例に使用し看取った。看取った2事例のうち、1事例は新人看護師、もう1事例はベテラン看護師が担当したが、両者とも使用してよかったという感想を得た。その理由として、「どこに困っているかを他の看護師に示すことに役立った」、「家族と本人の思いのズレについて問題提起をするのに挙げやすくなった」、「関わっていないスタッフが、直ぐに状況把握することができた」、「項目をチェックすることで、把握不足である情報がわかり、家族に尋ねることで家族と向き合えていた」、等があった。また、運営上の検討事項として、カンファレンスを開催した後に記録を残せると良いという意見もあったため、記録様式を検討した。家族が看取りを受け入れられていない場合、看取りを話題に挙げることが難しい。QIツールを活用することで、「把握していない情報」を意識し続け、タイミングを図ることが重要であることを共有した。これらの事例を基に、臨床上生じる問題点を整理し、QIツールおよびQI教育プログラムの有用性の評価と改善点の把握を行い必要に応じて改善した。同時に、QIツールおよび教育プログラムの運営マニュアルを作成した。
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