研究課題/領域番号 |
26671033
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
中田 ゆかり 滋賀医科大学, 医学部, 非常勤講師 (30647615)
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研究分担者 |
山田 尚登 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (50166724)
角谷 寛 滋賀医科大学, 医学部, 特任教授 (90362516)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 睡眠教育 / 労働者 / 携帯活動量計 |
研究実績の概要 |
平成27年度は,ある企業の3事業所の労働者(約400名)を社員番号(奇数/偶数) により割付けを実施し、奇数群(Group A)、偶数群(Group B)の2群に割付けした。4月~9月にはGroup Aに対し、全3回各回50分の睡眠健康教育(第1回:睡眠の基礎知識、第2回:睡眠障害と良い睡眠をとるための工夫、第3回:総まとめ(クイズ形式での理解度確認や健康づくりの睡眠指針2014を用いた総復習)、睡眠日誌などのセルフモニタリングを含めた睡眠教育プログラムを実践し、Group Bにはパンフレットによる教育とした。10月~3月にはGroup Bに対し、同睡眠教育プログラムを実践し、Group Aにはパンフレットによる教育を行った。 睡眠教育プログラム実施前後の効果評価のために研究協力に同意を得た75名に対し、通信機能付携帯活動量計と自記式質問紙調査を用いてデータ収集した。通信機能付携帯活動量計については、介入前から介入後までの1年間で7回(1回あたり約1週間)の睡眠関連データ(平日・休日別の睡眠時間、睡眠効率、睡眠潜時)を収集した。また、自記式質問紙調査(Epworth sleepiness Scale(ESS)、アテネ不眠尺度、Patient Health Questionnaire(PHQ-9)、WHO QOL 26)については、介入前(4月)、Group Aへの介入後(10月)、Group A/Bともに介入後(3月)に実施した。アテネ不眠尺度、PHQ-9、自記式質問紙調査を行った。評価項目は活動量計のデータ(平日・休日別の睡眠時間、睡眠効率、睡眠潜時)であった。 Group Aへの介入後の効果評価を行った結果、Group A40名(男性26名、女性14名 平均年齢43.8±8.0歳)、Group B35名(男性21名、女性14名 平均年齢42.8±8.3歳)の2群間での差は認められなかった。しかし、Group Aの平日睡眠時間(+16.4分)、休日睡眠時間(+13.0分)が増加し、平日睡眠効率が向上(+1.2%)、平日睡眠潜時が低下(-0.4分)していた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画では、ある企業のA事業場に勤務する労働者約200名を調査対象として,集団認知行動療法を活用した睡眠教育プログラムを実施することとしていたが、ある企業のA事業所を含めた3事業所に勤務する労働者約400名を調査対象としたこと、集団認知行動療法は不眠などターゲットとする対象者の集団を対象にする必要があり、一般労働者に対しては、「睡眠衛生教育」を主軸とした睡眠教育プログラムに修正したこと、が変更点である。また、通信機能付携帯活動量計を用いたデータ収集方法として、研究協力者への負担軽減のため、データ収集回数を7回(1回あたり1週間程度)とした。 睡眠教育プログラムの効果評価について、t検定や分散分析を用いて、先に介入したGroup Aと非介入のGroup Bの介入前、介入後のデータにより2群間での評価を行った。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は、①睡眠教育プログラム介入前と1年後の全体(Group AとB)でのプログラム効果について、介入時期も踏まえ、t検定や分散分析・回帰分析を用いて検証する。②これらの結果から、より効果的な睡眠教育プログラムについて精錬を行う予定である。さらに、研究公表を広く行い、協力を得たある企業の2事業所や研究協力者へのフィードバックを行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
H27年度は睡眠教育の実施に必要な物品等の購入(654千円)、情報収集を目的とした学会参加(63千円)、その他(10千円)で助成金を使用した。 H28年度に研究成果発表をするための諸費用として、次年度使用額が発生した。
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次年度使用額の使用計画 |
研究成果発表のための学会旅費等(25千円)、論文投稿の諸経費(300千円)、その他(30千円)を使用する予定である。
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