研究課題/領域番号 |
26671041
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研究機関 | 岐阜県立看護大学 |
研究代表者 |
北山 三津子 岐阜県立看護大学, 看護学部, 教授(移行) (70161502)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 保健師実践能力 / 新任保健師 / 中堅保健師 / 指導保健師 / 面接調査 / 実践能力向上のための取組 / 実践能力向上のために得た支援 |
研究実績の概要 |
平成26年度にA県内の自治体に採用された保健師(以下新任保健師)28名のうち、本人および指導保健師の同意が得られた19名について、筆者らが開発した新任保健師実践能力到達目標チェックシート(11か月時チェックシート)を用いて、採用後11~12か月時および1年11か月~2年時の到達状況を分析した。 11~12か月時に到達者が6割未満だったのは12分類40項目中9項目で、分類別にみると、所属組織と活動の成り立ちの理解1項目(自治体の基本計画、保健・福祉計画、保健・福祉事業計画の関連の理解)、施策化3項目(地域のニーズを他者に説明できる資料の作成、ニーズに即した事業計画作成の試行、次年度の計画立案について所属組織全体の検討の場への参画)、地域のヘルスケア体制整備1項目(現状の体制で不足している資源の明確化)、地区活動の展開1項目(保健福祉事業の利用のない人々を含めた対象地区全体の健康問題のアセスメント)、保健福祉事業の展開1項目(担当事業の評価・計画)、住民との協働2項目(先輩保健師の指導下での住民への連絡・相談、住民の主体的な活動支援の試行)であった。 1年11か月~2年時では、到達者が6割未満だったのは、2分類2項目と減少し、地区活動の展開1項目(保健福祉事業の利用のない人々を含めた対象地区全体の健康問題のアセスメント)、住民との協働1項目(住民の主体的な活動支援の試行)であった。 11~12か月時には到達していなかったが、1年11か月~2年時には到達した項目について、到達を目指して取り組んだことは、到達者が少なかった施策化では、ニーズ把握の実施、把握結果の資料化、ニーズに即した事業計画の立案、保健師全体の業務検討会での報告等であった。また、到達に向けて得た支援は、先輩保健師等に悩みを聞いてもらう、取組む機会をつくってもらう、具体的な方法・手段の助言や上司との調整等であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初計画のうち、中堅保健師対象の調査時期が研究協力者との調整で1年遅れ、1回目調査はH27.9、2回目調査はH28.9となったため、後続する研究として計画していた「調査結果を指導保健師と共有し、新任保健師および5年目保健師の支援について検討する会」の実施が遅れている。この計画については、補助事業期間の延長が承認されたので、平成29年度に取組む予定である。
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今後の研究の推進方策 |
新任保健師および5年目保健師を対象とした調査から明らかになった実践能力の発展のプロセスについて、指導保健師(32名)と共有し、実践能力の発展を支援する方法について意見交換する。この結果を踏まえて、新任保健師および中堅保健師の実践能力の発展を支援する方法を考察する。 また、これまでの研究の成果を関連する学会で報告したり、報告書等により公表できるように準備する。
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次年度使用額が生じた理由 |
主な理由は以下の二点である。 中堅保健師を対象とした調査が研究協力者との調整により1年遅れて実施せざるを得なかったので、研究の最終ステップである指導保健師との検討会が開催できなかった。 学会等への研究成果の報告および本研究の報告書の作成ができなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
指導保健師(32名)との検討会開催のための郵送費および検討内容のテープ起こし等(約10万円)、事務補助者の賃金等(約7万円)研究成果の関連学会での発表のための旅費等(約30万円)、研究成果報告書の印刷(約20万円)
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