本研究は、年間約2500万人(2016年度)を超える日本への外国人旅行者の日本滞在に伴う病気の予防や日本の医療やケアの知識を分析し、情報提供をするためのツールとして、アニメゲームの開発を目的とした。そのために、(1) これまでの本研究者らによる研究成果で開発したアニメ情報動画であるMari Info Japanを用いて、成田空港において世界中からの外国人旅行者の日本滞在に伴う病気の予防や日本の医療やケアの知識を明らかにし、(2)外国人のケアにたけている日本の病院側の外国人患者の知識に対するニーズを明らかにし、(3)外国人と病院双方のデータの分析、検証をおこない、病気予防と知識のニーズを明らかにし、(4)その成果を国際学会(カナダ、スペイン、韓国、タイ)と日本国内で発表して、意見や評価を受けた。(5) そこから日本滞在に伴う病気の予防とヘルスプロモーション、日本の医療事情の知識習得のための情報提供ツールとして、アニメゲーム(Sa-chanゲーム)の開発を行った。このゲームは、学ぶ楽しさを取り入れながら、外国人旅行者が日本を訪れる以前にヘルスに関連する情報を得ることにより、日本で健康に過ごし、滞在を満喫できることや、急に体調を崩しても、少し日本の医療知識を得て気持ちにゆとりを得やすい。さらに、医療関係者にとっても、事前に情報を提供することによって利益を得ることが可能である。今後は、更なる情報提供の内容についてのアップデートとその効果の検証や滞在目的に合わせた情報提供が必要になるという示唆を得た。
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