研究課題/領域番号 |
26671048
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
中田 光紀 産業医科大学, 産業保健学部, 教授 (80333384)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 職業性ストレス / 過重労働 / 看護師 / 介入研究 / 職場環境改善 / 免疫指標 |
研究実績の概要 |
本研究は、産業医科大学病院看護師の過重労働の低減を目指した参加型介入研究を行っている。研究目的には、①過重労働と職業性ストレスの実態調査、②過重労働を低減させる介入プログラムの開発と無作為化比較試験、③過重労働・職業性ストレスを鋭敏に検出する免疫指標の探索、である。①の過重労働と職業性ストレスでは、労働時間や交代勤務、仕事上のストレスの負荷について職業性ストレス簡易調査票や努力・報酬不均衡モデル調査票等を基盤として調査票の開発を行い、ベースライン調査を行った。調査票には、仕事の負荷やストレスだけでなく、介護や子育てあるいは家庭生活等のワークライフバランスに関する項目を含んでいる。②の介入プログラムは職場介入のアクションチェックリストを参考に、看護系教員・職員と協力しながら、現場に即した計画を進めている。現段階においては病院との綿密なスケジュールの打ち合わせを進めている最中である。③の免疫指標は微量の血清で血液中のサイトカイン(インターロイキン)を網羅的に測定できるマルチプレックスサスペンションアレイの測定系を検討し、免疫測定の際のフローを確立した。ベースラインにおける測定は完了した。本研究は最終的に、過重労働を低減させる効果的な対策の提案とそれを客観的に評価する生理学的システムの開発を目指し、合わせてメンタルヘルスが悪化する者、離職や病欠する者、医療事故やヒヤリハットの減少、医療の質と安全の向上、ひいては過労死で亡くなる看護師を未然に防ぐことを目的としている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究の遅れは、病院との交渉に時間がかかっていることによる。大学病院の人事異動およびそれに伴う倫理申請書の提出の遅れが原因である。本年6月をめどに介入調査を実施する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
ベースライン調査(平成28年2-5月)の後に、職場環境改善に関するフォーカスグループインタビューを行い、環境改善に必要な具体策を提示する。この提示をもとに介入計画を立案し、介入を行う。その6ヶ月後をめどに再度調査と免疫指標の検査を行い、介入効果を判定する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の遅れは、ベースライン調査を2年目から開始したことによる。6月に入り、病院との交渉を再度をこなうことから、年度内には予定通り研究計画を遂行する見込みである。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は検査費用と免疫指標の測定に使用する消耗品に当てる予定である。
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