研究課題/領域番号 |
26671050
|
研究機関 | 国立保健医療科学院 |
研究代表者 |
川崎 千恵 国立保健医療科学院, その他部局等, 主任研究官 (80648212)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | ソーシャル・キャピタル / 地域活動 |
研究実績の概要 |
平成26年度は、地域の人びとが住民組織活動(以下、地域活動)に参加することや、地域の人びととのつながりと健康などとの関連について文献検討を行い、その結果を踏まえて研究計画を立案した。 文献検討の結果、地域活動に該当する概念は複数あり、和文献では概念の定義が明確にされていないものが多かった。洋文献では、community participation、community activityなどがあり、それぞれ操作的定義が明記されているものが多かった。また、関連のある概念を整理したところ、sense of community/belonging、social cohesionなどがあり、地域活動への参加との因果関係については十分検討されていなかったが、健康などとの関連について検討した文献が複数みられた。 文献検討の結果、人びとが地域活動に参加することで、年齢にかかわらず、身体的・精神的健康などに良い効果をもたらすことが明らかにされていた。しかし、関連する要因間の因果関係についての検討は十分なされておらず、地域活動に参加する当事者の人びとにとって、地域活動に参加することの意味や、参加することによる内的変化などを明らかにしたものは見いだせなかった。 文献検討の結果を踏まえて立案した研究計画に基づき、地域活動の発展に伴いソーシャル・キャピタルが醸成されていると考えられる地域及び地域活動の選定を行った。既に選定した活動について、来年度は調査を進めていく。 地域の及び地域活動の選定は、更に次年度も継続して行う予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
年度初めより職員の病欠等による人員不足が発生し、所属組織での研究以外の職務の業務量過剰となり、予定していたエフォートを割くことができなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
研究計画に基づき調査を遂行する。 当初の予定では、ソーシャル・キャピタルの醸成を図りながら活動が発展している地域活動2~4か所に参加している人々とその地域を対象としていたが、具体的には実現可能性を鑑み、異なる文化背景の2地域(地域Ⅰ、地域Ⅱ)における、各1~3か所の地域活動への参加観察およびインフォーマル・インタビュー、フォーマルインタビューを行うものとする。 今年度は地域Ⅰでの研究を優先的に行い、地域Ⅱでの研究の準備までを行いたいと考えている。
|
次年度使用額が生じた理由 |
先述したとおり、年度初めより職員の病欠等による人員不足が発生し、所属組織での研究以外の職務の業務量が、当初の予定を越えて過剰となり、予定していた現地訪問や現地での打合せの時間を取ることができなかったため。
|
次年度使用額の使用計画 |
次年度は、職員数が改善される見込みであり、研究計画書の倫理審査も5月中旬には終えられる見込みである。そのため、年度の早い段階から本格的に、現地における複数回のフィールド・ワーク(本調査)を行う。また、その都度、専門家にスーパーバイズを得る必要が生じるため、使用額は顕著に増加することが見込まれる。
|