住民組織活動(地域活動)に参加する高齢者についての研究(エスノグラフィー):2つの地域において、エスノグラフィーの手法を用いた研究を行い、高齢者にとっての住民組織活動(地域活動)に参加することの意味について明らかにした。具体的には、住民組織活動(地域活動)に参加する高齢者にインタビュー調査を行うとともに、参加観察、その他住民へのインタビュー、資料収集などに基づき、分析を行った。分析結果の一部について学会発表を行った(現在、学会誌への投稿中)。 住民組織活動(地域活動)に参加する乳幼児を育てる母親についての研究(質問紙調査):エスノグラフィーだけでは、本研究の目的を果たし、研究の意義を達成するのは不十分と考えたこと、対象を高齢者だけでなく、乳幼児を育てる母子についての検討も、地域保健活動においてニーズがあることから、昨年度質的記述的研究を行った。今年度はその結果に基づき、乳幼児を育てる母親が参加する地域活動の特性・機能についての尺度を開発するとともに、地域活動の特性・機能と、参加することにより得られるものとの関連を、質問紙調査による量的研究により明らかにした。分析結果の一部について学会発表および学会誌での公表を行った(現在、その他未公表の結果について学会誌への投稿中)。
研究成果:高齢者と乳幼児を育てる母親を対象とした研究の結果から、地域活動へ参加することの意味や、活動への認識として、地域活動に参加することでもたらされると認識していることが明らかになった。母親が参加する地域活動には、共通する機能が備わっており、母親が認識するアウトカムと関連があることがわかった。また、地域活動へ参加することの意味や地域活動に参加することでもたらされると認識していることには、地域の社会的文脈や人口学的要因、個人的要因が関連し、これらの背景に目を向けることの重要性が示唆された。
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