研究実績の概要 |
多色環境刺激によるベクションの実験では、6色のマルチカラーで構成したオプティカルフロー(拡散するドット刺激)と、その刺激のグレースケール版とでベクション強度を計測した。その結果、マルチカラー条件で有意にベクションが弱くなる事がわかった。この成果について、Colorful stimuli might inhibit vecton.Ogawa, M. & Seno T.Transactions of the Virtual Reality Society of Japan Vol.21, No.1, 2016 という査読有り論文の形で報告を行った。 次に、観察体位の効果については、グーグルカードボード(ハコスコ)を用いて、360度頭部を回転させても刺激が提示され続けるVR状態のベクション刺激を開発した。その結果、自由に体を動かし、頭を動かして刺激を観察する方が、座って静止している観察状態に比べてベクションをより強く誘発出来ることがわかった。この成果については、A New Vection Stimulus: Immerse yourself in vection.Seno, T. & Yoshinaga, T. Transactions of the Virtual Reality Society of Japan Vol.21, No.1, 2016 という査読有り論文の形で報告を行った。 最後に発達に関しては、中学生を被験者にしてベクションを計測した。その結果、中学生ではより強いベクションを感じている事が明らかに出来た。この成果はShirai, N., Imura T., Tamura, R. & Seno T. Stronger vection in junior high school children than in adults. Frontiers in Psychology, 5, Article 563 (2014) という査読有り論文の形にしている。
|