研究課題/領域番号 |
26700023
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
原田 香奈子 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (80409672)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 知能ロボット / 眼科 / 手術手技評価 / 手術ロボット |
研究実績の概要 |
従来の手術ロボット研究では,医師の定性的なコメントを元にトライ&エラーを繰り返しながら研究開発を進めるため,極めて効率的が悪かった.また,手術ロボットの効果を定量的に示すことができず,臨床応用が遅れるという問題があった. そこで本研究では,眼科手術を対象として系統的に手術ロボットの研究・開発と評価を行う手法を提案する.具体的には,眼科を対象とした手術手技評価システムを開発して定量的に医師の手技を把握する.その結果に基づいて手術ロボットを開発し,評価結果を比較することで手術ロボットの効果を定量的に示す.更にはトレーニング・システムを開発する. 平成26年度は,当初の計画どおり,ヒトの眼球を模擬した眼球モデルとセンサを搭載した手術手技評価システムを開発した.硬膜と同等の硬さをもつ眼球モデルをバネにより回転できる機構とし,眼底のモデルは名古屋大学と共同研究として開発した.また,眼底のモデル下部に力センサを配置し,眼底への接触力を計測できる機構とした.医師および工学系学生を被験者とした実験の結果,眼底への接触力の違いを明らかにすることができた.特に,眼底血管へのカニュレーションについて,力を加える方向に違いが見られた.また,これらの実験からの考察や文献調査結果に基づき,ロボットの設計を進めた.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画に従って特に問題なく進めている.
|
今後の研究の推進方策 |
平成27年度は,平成26年度に進めた眼科用手術ロボットの設計を完了し,手術ロボットの製作を行う予定である.また,開発したセンサ付き眼球モデルを用いて手術ロボットの評価を行い,ヒトによる手技と手術ロボットの効果を定量的に比較する予定である.
|
次年度使用額が生じた理由 |
眼科手術ロボットの一部を試作して検討を行った結果,加工精度の問題があり,一部設計を変更する必要が生じた.製作予定であった部品の製作を次年度に延期し,設計を修正することで製作予定のロボットの精度を向上させることが適切と判断した.
|
次年度使用額の使用計画 |
眼科手術ロボットの部品加工に使用し,物品費として計上する予定である.
|