研究課題/領域番号 |
26700024
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
山崎 公俊 信州大学, 学術研究院工学系, 助教 (00521254)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 柔軟物認識 / 柔軟物操作 / 知能ロボット |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,自動機械が布製品に所望の操作をおこなうための要素技術を確立することである.衣類やタオルなどの日用の布製品を対象として,それらを畳む,展開するなどの操作を自動機械におこなわせることを目指す.このため,様々な布製品に適用可能な布の知識表現,状態認識法,操作技能の獲得方法について研究した. 当該年度の研究活動では,布の操作知識に関する手法のうち,布の折りたたみ操作の自動獲得における布製品の知識表現法について研究した.ある形状状態の布製品に対して,ある操作を加えた際,どのような形状変化が起きうるかをシステム側で予測することを目標として,それを実現可能なフレームワークに対して,知識表現の方法を検証した.このフレームワークは,畳み込みニューラルネットワークにおけるオートエンコーダの仕組みと,布製品の現形状情報に操作入力を入れるとその操作情報に基づいて結果形状を出力するネットワークを組み合わせる方式である.ここで学習されたネットワークの重みが知識表現となる.また,前年度までは矩形の布製品を対象としてきたのに対して,当該年度では操作対象をTシャツ等に広げて,畳み行動等を実現した.ここでの課題の一つとして,ロボットのアームの可動範囲がシャツ類を畳む目的には狭すぎることがあったが,可動台車を組み合わせた動作生成をおこなう方式を導入することで,机のヘリ等を利用した能動的な畳み作業が可能になった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
布の状態表現と知識表現については,いくつかの布製品に対処できる方法が提案され,順調に進行している.操作手法についても,複数の操作手順を計画するのに適した手法が開発できつつあり,そこではシミュレーションによって操作経験を積む仕組みも導入されている.これらより,操作方法を獲得させられる目途がたったと考えられる.よって,研究全体として概ね順調に進展している.
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今後の研究の推進方策 |
シミュレーションによって操作経験を獲得する手法を,矩形布生地以外にも拡張する.また,実機にも適用できるように手法を改良し,ロボットシステムの構築をおこない,手法を検証する.
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次年度使用額が生じた理由 |
28年度に発表予定であった学会論文一件について,データとりまとめ作業のため若干の遅れが生じ,投稿を29年度に延期することとなったため,45,000円と見込んでいた学会出張がなくなった.
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次年度使用額の使用計画 |
H29年度請求額と合わせて,延期した計画の通り,本年度中に論文発表をおこなう際の学会出張費として使用する.時期は6月を予定している.
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