双曲線簡易渦集積法と閉鎖型自動開閉式チャンバー法を併用して、3つの温帯林と1つの亜寒帯林において生態系スケールのCH4交換量を複数年にわたって連続観測した。従来、森林はCH4の吸収源と考えられてきたが、微気象学的手法を用いて生態系スケールの収支を計測したところ4つの森林のうち3つがCH4の放出源である事が分かった。この原因として、森林に点在するCH4のホットスポット的な放出源が寄与している可能性が示唆された。以上のことから、既往の研究による森林のCH4吸収量は過大評価されている可能性がある。今後、生態系スケールのCH4収支を微気象学的手法で計測し、値を見直すことが必要である。
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