| 研究課題/領域番号 |
26701004
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| 研究機関 | 気象庁気象研究所 |
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研究代表者 |
大島 長 気象庁気象研究所, 環境・応用気象研究部, 主任研究官 (50590064)
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| 研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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| キーワード | エアロゾル / 黒色炭素粒子 / 大気化学 / 気象 / 放射 / 全球モデル / 混合状態 / 大気環境 |
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| 研究実績の概要 |
本年度は、気象研究所の地球システムモデルを構成する全球化学気候モデルに組み込むためのエアロゾルモジュールの開発・改良を中心に行った。特に、気相成分とエアロゾル成分の取り扱いを整合的にできるエアロゾルモジュールおよび気相化学反応モジュールの開発・改良を実施した。また、ブラックカーボン（黒色炭素粒子）の混合状態に基づき、エアロゾルの放射特性を計算できる手法を開発した。さらに、エアロゾルの降水による除去過程の扱いについても改良を実施した。本研究により得られた成果は、今後のモデル開発・モデル研究を行う上で基盤となるので、非常に重要である。また本研究で考案した研究手法と沖縄県辺戸岬において観測されたブラックカーボンの湿性沈着量の観測結果を用いて、東アジア域におけるブラックカーボンの湿性沈着の季節変動を明らかにした。さらに、本研究成果および研究手法と春季西太平洋域において実施されたエアロゾル航空機観測結果を組み合わせることで、西太平洋域におけるエアロゾル数濃度の変動メカニズムについて新たな知見を得た。また、本研究成果の一部を全球エアロゾルモデルの相互比較実験の結果と組みあわせることで、現在の全球エアロゾルモデルによるブラックカーボンの放射強制力と大気中寿命の推定精度について体系的に評価した。これらの研究成果は、今後のモデル開発・検証を行う上で非常に重要である。本年度は、これらの研究成果をとりまとめ、三篇の学術論文（共著）としてそれぞれ掲載された。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、気相成分とエアロゾル成分を整合的に取り扱うことができるエアロゾルモジュールおよび気相化学反応モジュールの開発・改良、ブラックカーボンの混合状態に基づいたエアロゾル放射特性の計算手法の開発、エアロゾルの降水による除去過程の改良などを実施し、今後のモデル開発・改良を行う上で必要不可欠な研究成果をあげることが出来た。また、ブラックカーボンの湿性沈着やエアロゾルの数濃度変動などについて新たな知見が得られ、今後のモデル検証を行う上で必要不可欠な研究成果をあげることが出来た。
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| 今後の研究の推進方策 |
初年度から実施している全球エアロゾル化学気候モデルの開発を継続する。開発したモデルを用いて、エアロゾルの時空間分布・放射特性を計算し、モデル結果を観測結果と比較する。観測との比較では、各種エアロゾル成分の時空間分布・放射特性を計算する際の不確定性の検証、エアロゾルの広域的な空間分布・放射特性を決める過程の検証を実施する。このような観測結果に基づき、モデルの改良を実施する。改良したモデルを用いて、ブラックカーボンの時空間分布・加熱分布を明らかにし、エアロゾルの直接放射効果について新たな評価を与える。最終的に、本研究により得られる成果を学術論文としてまとめる。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
計画当初（年度後半）に予定していた専門性が高い資料整理のための人材を確保することがタイミング的に難しく、人件費・謝金を使用する機会がなくなったことが主な理由としてあげられる。
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| 次年度使用額の使用計画 |
全球エアロゾル化学気候モデルの開発およびモデル計算には、開発専用のクラスタ計算機および計算機関連機器が必要であるので、より性能の高い計算機機器を導入するために、必要な設備備品費・消耗品費を計上した。また、国内外の研究者との詳細な討論や情報交換、及び国内外の学会にて研究成果を発表するための旅費を計上した。
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