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2014 年度 実績報告書

糖尿病患者の健やかな老いを創出・支援する介入的アルツハイマー病併発予防法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 26702001
研究機関弘前大学

研究代表者

板垣 史郎  弘前大学, 医学部附属病院, 准教授 (00360925)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワードアンジオテンシン変換酵素 / 認知症
研究実績の概要

アルツハイマー型認知症とアンジオテンシン変換酵素(ACE)の関連性について、中枢移行性ACE阻害薬を投与された高血圧患者では認知能の低下が生じにくい、という大規模臨床試験の結果も報告された。これらの報告は、アルツハイマー型認知症患者の症状進展抑制を図る上で、中枢に存在するACEが有用な標的となる可能性を示唆している。ラットの記憶能は空間認知記憶能を指標として、モーリス水迷路法により評価した。直径120cm、高さ46cmの円形のビニールプールに水(水温25± 1℃)を30cmの深さまで入れたものを使用した。まず場所課題用逃避台(以下プラットホーム、 直径8。2cm高さ28cm)を置き固定した後、プラットホーム上面まで水を入れ、その上面に標的を載せた。この状態で、プール壁側の一定の位置よりラットを泳がせ、ラットがプラットホームに到達するまでの時間(遊泳時間:最大180秒間)を1日1回、約4~5日間測定し、学習訓練を行った。学習訓練最終日の翌日より、標的を除去しプラットホームを水面下2cmに水没させ、プール壁側の一定の位置よりラットを泳がせ、遊泳時間を1日1回、連続6日間測定した。
ラットの記憶保持能は遊泳時間の減少から評価・解析した。コントロール群は遊泳回数の増加に伴い徐々に遊泳時間の短縮が認められた、一方、RAS抑制剤投与群では、カプトプリル投与群においてのみ、日数の経過に伴い投与開始後3日目から5日目でコントロール群に比べて有意に遊泳時間の短縮が認められたが。中枢非移行性のACE阻害薬イミダプリル群ならびにアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)であるロサルタン群では遊泳潜時間の短縮はコントロール群とほぼ同様の経過を示した。
これらの結果は前述の報告とよく一致するものであり、中枢に存在するACEの基質等が記憶保持に関与する可能性が強く示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

兼務している本学用務の臨床試験管理センター副センター長として、平成27年4月1日から施行された「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」に係る諸制度の整備にエフォートの大部分を割り当てざるをえず、当初計画に記載した、記憶保持と連関するペプチドの探索までは至らなかった。

今後の研究の推進方策

SELDI-TOF-MS解析により、ラット脳細胞質分画を試料として、ラットの認知機能と脳内ペプチド発現の対応性について解析を行い、ラットの認知機能と連関するペプチドを探索する。見出されたペプチドは、脳アンジオテンシンⅣ受容体の内在性リガンドの候補である。また、ラット肺ACEを用いたイムノブロットアッセイを行い、ラット脳のACEの発現を直接捕捉できる評価条件を確立する。
評価系確立後、昨年度薬剤部に設置されたLC/MS/MSを用いて、当外酵素の発現を捉えることに挑戦する。

次年度使用額が生じた理由

平成26年度は、兼務している臨床試験管理センター副センター長として、平成27年4月より施行された「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」への対応にエフォートの大半を割く必要があった。学術研究助成基金助成金は平成27年度以降の研究に使用する。

次年度使用額の使用計画

SELDI-TOF-MS解析により、ラット脳細胞質分画を試料として、ラットの認知機能と脳内ペプチド発現の対応性について解析を行い、ラットの認知機能と連関するペプチドを探索する。見出されたペプチドは、脳アンジオテンシンⅣ受容体の内在性リガンドの候補である。また、ラット肺ACEを用いたイムノブロットアッセイを行い、ラット脳のACEの発現を直接捕捉できる評価条件を確立する。
評価系確立後、昨年度薬剤部に設置されたLC/MS/MSを用いて、当外酵素の発現を捉えることに挑戦する。
上記計画は、科学研究費補助金と学術研究助成基金助成金を合算して実施する。

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公開日: 2016-06-01  

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