日本で最も暑い街として知られている多治見の高温に及ぼす風上側の地面状態の影響を調査した。多治見が高温の日には、西寄りの山越え気流が頻繁に卓越していることを予め確認後、この風が高温に寄与するメカニズムに関する仮説:風上地表面からの非断熱加熱を伴うフェーンを検証した。その結果、本仮説を実証する結果を得た。すなわち、風上側の地面状態が風下側の高温に大きな影響を及ぼしていることを確認した。また、気流が都市域を通過する時や、日射が大きくかつ土壌が乾燥している日に、風上地面状態の影響が特に大きくなることが分かった。以上の結果は、風上の土地利用の改変が今後風下都市の熱環境に影響を及ぼすことを示唆している。
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