研究課題/領域番号 |
26702007
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
赤羽 英夫 大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (00552077)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 核四極子共鳴 / NQR / 二重共鳴 / 交差分極 / 偽造医薬品 / 不正薬物 |
研究実績の概要 |
平成27年度までは、市販のNMR制御装置を用いて、送信パルス波形の生成と、受信信号の位相検波をすることにより、NQR信号を検出していたが、可搬型のNQR装置を開発するにあたり、本年度は、バッテリー駆動型のNQR制御装置の設計とテストを行った。開発したNQR装置は、NQRシーケンスの生成と受信信号の信号処理を行うField programmable array (FPGA, アルテラ社製CYCLONE V)からなる制御ボード、送信パルス制御信号から出力インピーダンスが低い送信パルスを生成するD級アンプ送信ボード、アンテナから受信された信号に対して帯域外のノイズを低減する帯域通過型フィルタとシリアルADCからなる受信ボード、受信用前段トランスインピーダンスアンプ付き低インピーダンス送受信切替ボード、送受信用コイルプローブから構成している。また、NQR信号強度を増大させるため、サンプルを高磁場下に一定時間保持し、その後、ゼロ磁場下に移動させるサンプル移動機構とその駆動回路を再度設計することにより、自作NQR装置から制御できるように改良した。送信用のD級アンプとして、両電源駆動ハーフブリッジ構造を採用し、従来の50Ω送信アンプに比べ、より小さい駆動電圧で大きな電圧をコイルプローブに印加できるようになった。その結果、送受信切替回路に含まれる受信アンプや切替素子の保護電圧を約10倍程度下げることが可能となり、耐電圧が低い小型で高性能な電子部品の使用が可能となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画通りに、研究が進んでいるため。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は、最終年度となるため、NMR-NQR交差分極の為のサンプル移動機構と前年度に開発した小型NQR装置を組み合わせ、微小サンプルの測定が可能な可搬型NQR装置の開発を行う。また、パルスNQR法以外の連続波を用いたNQR検出技術が適応可能か検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の進捗にあわせ、装置の改良のためNQR制御用FPGA基板の作製とその基板への電子部品の実装を複数回検討していたが、年度内での改良が間に合わなかったため、年度内の購入を見送った。
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次年度使用額の使用計画 |
当初予定通りにNQR制御用FPGA基板の作製と電子部品の実装を複数回行い、開発装置の仕様に適したNQR制御用FPGA基板の開発を試みる。
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