微量結晶粉末(10 ~ 100mg)の物質同定を可能にする小型NQR検査装置の開発を目指し、二重共鳴法を用いた高感度化技術の開発に挑戦した。高磁場で分極した水素原子核スピンの磁化を窒素原子核スピンに移動させることで、窒素原子核からのNQR信号が増大するか検証を行った。磁化の移動には、サンプルを高磁場からゼロ磁場に移す必要があるため、磁力を用いたサンプル移動機構を試作した。また、低インピーダンス送受信回路を備えた小型NQR装置とその制御プログラムの開発を行った。その結果、窒素原子を含む複数の医薬品原料 (100 mg以下 )からNQR信号を検出することに成功した。
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