本研究では,降雨に起因する山地斜面の表層崩壊について,その発生位置と規模,発生時刻を精緻に予測するための手法の開発に取り組んだ.まず崩壊予備物質である土層の生成と輸送の過程を,宇宙線生成核種の加速器質量分析と航空レーザー測量による地形の詳細解析という新規性の高い手法を用いて定量化し,表層崩壊の発生場となる谷頭凹地への土砂の集積をシミュレートできるシステムを構築した.また,降雨に対する土層中の間隙水圧の応答をモデリングした.これらの研究により,斜面での長期的な地形プロセスと短期的な水文プロセスの両方の定量的モデリングを組み合わせ,表層崩壊発生の予測精度を大きく向上させることができた.
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