研究課題
若手研究(A)
心筋細胞の膜陥入管構造であるT管膜は、細胞の効率的な収縮に必須である。そのため、T管膜構造の崩壊は心不全の引き金になるが、その崩壊メカニズムは不明であった。圧力負荷によって誘導される心不全において、T管膜が崩壊する前に、収縮ごとに流入してくるCa2+を細胞外へ排出する輸送体であるNa+/Ca2+交換体(NCX1)のT管膜上での機能が著しく低下することを明らかにした。NCX1を過剰発現することでNCX1の機能低下を回避すると、T管膜構造の崩壊と心不全の進行を抑制することができた。これらの実験結果は、T管膜のNCX1による局所Ca2+制御が心筋細胞の構造と機能の維持に重要であることを示唆している。
医用生体工学