本研究では幹細胞より作製した膵b細胞と自律神経細胞の共培養を行うことでインスリン分泌の人為的制御手法を目指した。まずヒト自律神経の安定的作製を行うために、ヒト多能性幹細胞からの自律神経の誘導技術を開発した。また、多能性幹細胞からの細胞作製の課題を補完する技術として、低分子化合物を用いた細胞加工技術による神経堤細胞・末梢神経細胞の作製技術の開発を同時に行った。こうして誘導した細胞を用い、微細加工技術を用いて作製したPDMSベースの神経共培養チャンバを用いることで、ヒト末梢神経と他細胞組織との機能的接続を行った。以上の通り、末梢神経シグナルを用いた細胞機能制御の基盤を構築できたと考えている。
|