生体の構造を模倣した筋組織モデルの構築を目指して研究を行った。パターン化温度応答性基材を用いて筋芽細胞を同一方向に配向させ、3次元ゲルに貼りつけた状態で分化誘導することにより、サルコメア構造を有する筋管組織を得ることに成功した。この筋組織は電気刺激により収縮する機能的な筋組織であり、薬剤に応答して筋収縮が抑制される様子も確認された。さらに、神経細胞および血管内皮細胞を筋組織内に導入し、より複雑な構造を持つ筋組織を得ることにも成功した。これらの細胞が神経や血管として機能するまで成熟した組織を構築することができれば、薬剤スクリーニング等に有用な筋組織モデルとして応用できると期待される。
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