研究課題
【背景及び目的】伸張性収縮(Ecc)は,等尺性収縮に比べ,より低い刺激強度で,同等の負荷を筋に加えることができる.本研究課題では,電気刺激(NMES)による痛みや不快感を軽減した,安心・安全で効果的な新規NMES療法の開発を目指し,アジュバント関節炎(AIA)ラットおよびヒトにおいて,Ecc-NMESの効果を検証するとともに,その作用メカニズムを明らかにすることを目的とした.【方法】Wistar系雄性ラットを対照群及びAIA群に分け,それらの左側足部をトルクセンサーを含む小動物用足関節運動装置(当初の予定では,平成26年度に発注・導入する予定であったが,装置の改良に時間を要し,平成27年度に導入された.その後,負荷条件の設定のための予備実験を実施し,現在に至る.本課題研究は平成27年度に実施される予定であったが,前述した理由から予定を変更し,本年度の実施となった.)に固定し,Ecc-NMESを負荷した.関節炎惹起後3週間の時点で,関節幅を測定するとともに,ヒラメ筋,足底筋及び腓腹筋を採取し,生理学的・生化学的実験に供した.その結果,AIA群において,Ecc-NMESは,in situにおける発揮トルクおよびin vitroにおけるskinned fiberの発揮張力の低下を防止した.また,これらは,筋原線維タンパク質の酸化的修飾や凝集化の防止,オートファジー機能の正常化を伴っていた.これらの知見は,Ecc-NMESが関節疾患に伴う筋機能低下の防止策として有用であることを示唆している.なお,当初予定されていた,ヒトを対象にEcc-NMESの効果を検証する研究課題については,前述の通り,小動物用足関節運動装置の導入・調整が大幅に遅れたため,健常人に対する予備実験のみの実施となった.
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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