本研究では,伸張性収縮を利用した神経筋電気刺激(ECC-ES)がアジュバント関節炎(AIA)ラットの筋機能不全に及ぼす影響を検討した.AIAはフロイント完全アジュバントを膝関節に投与することにより作成した.ECC-ESは1日おきに3週間負荷した.その結果,AIAラットの腓腹筋内側頭から採取したスキンドファイバーにおいて,固有張力の低下が認められるとともに,アクチンの凝集化,NADPH酸化酵素,神経型一酸化窒素合成酵素,p62の発現が増加した.ECC-ESは,これらの変化をすべて防止した.したがって,ECC-ESは,関節疾患患者の筋機能を改善する効果的な手段であることが示唆された.
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