研究課題/領域番号 |
26702024
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
吉岡 伸輔 東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (20512312)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ジャイロセンサ / 校正 |
研究実績の概要 |
本研究では持久系動作の動力学解析も可能な動作計測システムを開発することを目的として研究を実施中である。申請者は平成23-25年度においてスキー動作を測定可能な広範囲動作計測システムを開発した(若手(B))。本研究はこれを発展させるものであり、平成26年度はセンサ分解能の向上、DCオフセットの補正方法の改良、ゲインおよびセンサの取り付けアライメントの補正の追加を行った。なお、平成27年度は力学パラメータの推定についての研究に取り組む予定であった。しかし、各種の測定試験を通して、ゲインおよびセンサの取り付けアライメントの補正が不十分であることが判明した。そのため急遽、校正装置を新たに作成し、より精度の高い補正方法に変更するなど対策を行った。その結果、予定が遅れた。ただし、その対策により測定精度が格段に安定するようになるという成果を得ることができた。現在は、平成27年度の予定であった各個人の質量パラメータの算定システムの構築を行っているところである。具体的には、センサを付けた被験者がフォースプレート上で動作を行い、計測されたセンサデータと力データの力学的整合性を取るように質量を推定することを行っている。その実験を終え、現在はプログラムの作成中である。近日中には何らかの結果を得ることが出来る予定である。また、その結果を受けて各種の対策を取り、実用的な水準になるよう改良を重ねる予定である。また、より安定したシステムの構築をめざし、屋外においての計測を繰り返し試験し、実用上のノウハウを蓄積している。補正方式の変更に伴う若干の遅れは生じているものの、研究目標の達成には大きな支障はないと考えられる状況である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実績概要で記述した通り、若干の遅れが生じている。ただし、全体を通して着実に進んでおり、停留するような大きな問題はないため、上記進捗の遅れに大きな不安はない。 なお、昨年度の進捗状況報告において、システムの使い勝手(ソフトウェアのインターフェースの改善)やシステム全体の作り込みの点では十分とはいえない部分が見えてきており、改善が必要であることを述べた。その点については、屋内・屋外での複数の試験を通して改善されてきており、その様な改善も着実な進捗を後押ししている。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は、最終年度であることから、力学パラメータの推定方法の確立、全成果(センサシステムによる動作計測、屋外における光学式モーションキャプチャの使用、力学パラメータの推定)の統合を行い、最終目標である「持久系動作の動力学解析も可能な動作計測システムの開発」を達成する。なお、力学パラメータの推定精度をどの程度にまで向上できるかという点が当年度の第一の課題となると予想しており、夏までにはおおよそ、その課題について許容できる精度範囲になるように各種の実験スケジュールを調整している。 知見の統合自体には本質的に大きな問題は生じないと予想している。また、使い勝手などの面での工夫に時間を割くことになると予想している。
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次年度使用額が生じた理由 |
各種の測定試験を通して、ゲインおよびセンサの取り付けアライメントの補正が不十分であることが判明したことから、急遽、各種の対策を行った。その結果、予定が遅れ、次年度使用額が生じることとなった。
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次年度使用額の使用計画 |
先述した通り、現在は各種プログラムの作成中である。近日中には何らかの結果を得ることが出来る予定であるが、その結果を受け、実用的な水準になるよう改良を重ねる予定である。その改良をはじめ、データ整理などのため、研究費を使用予定である。
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