本研究の目的はスポーツ用義足の形状,剛性,アライメント(装着方法)の違いがランニング中の生体力学的特性に及ぼす影響を明らかにすることである.また,得られた知見に加えて,義足ユーザの体力特性や形態学的特徴を組み込んだデータベースを構築することであった.三次元動作解析による義足スプリンター18名の運動解析を行った結果,義足ランナーは左右脚間で非対称な力発揮戦略を行っていることが明らかとなった.加えて,実レース環境中の時空間変数は切断レベル、性別、人種、競技レベルといった要因の影響を受けることが明らかとなった一方,切断側や身長といった要因による明確な影響は認められなかった.
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