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2014 年度 実績報告書

運動による骨格筋肥大適応を決定づける分子機構の解明と新規介入法開発への応用

研究課題

研究課題/領域番号 26702028
研究機関東京大学

研究代表者

小笠原 理紀  東京大学, 総合文化研究科, 助教 (10634602)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワード運動 / 栄養 / タンパク質代謝 / 骨格筋 / c-Myc / リボソーム / mTOR / シグナル伝達
研究実績の概要

近年、基礎研究の発展に伴って骨格筋量調節のメカニズムが次第に明らかとなってきている。しかし、”運動”による骨格筋肥大のメカニズムは未だに不明な点が多い。本研究では、“運動”による骨格筋肥大を決定づける分子機構を解明し、それに基づいて新規の運動・栄養介入法を開発することを目的としている。
本年度は、まずレジスタンス運動(RE)による筋肥大に重要とされるタンパク質複合体mTORC1(mammalian target of rapamycin complex 1)のREによる筋タンパク質合成(MPS)速度調節における役割について、ラットを対象としてREモデルを用いて検討した。その結果、RE後の比較的早い段階(1時間後)でのMPS速度の増加はmTORC1依存的であるが、その後(例えば6時間後)のMPS速度の増加はmTORC1に依存しないメカニズムによっても増加することがわかった。
次に、mTORC1に依存しないMPS速度の増加メカニズムについて、翻訳(タンパク質合成)装置であるリボソームとがん遺伝子として知られるc-Mycに注目して検討を行った。その結果、REによってリボソームを構成するリボソームRNAやタンパク質がmTORC1依存的に増加する一方、c-MycはmTORC1に依存せず増加することがわかった。c-MycはMPSを増加させることが知られており、mTORC1に依存しないREによるMPSの増加はc-Mycの増加によって生じた可能性が考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

目的としていたmTORC1に依存しない筋タンパク質合成速度の増加もしくは筋肥大の因子について候補を見つけることができており、おおむね順調に進展していると考えている。

今後の研究の推進方策

今後はこれまでどおり筋肥大に必要な因子を探索していくことに加えて、特定された因子について骨格筋における機能解析を行い、骨格筋量調節における役割について検討する。平成27年度はc-Mycに注目して検討を進める予定である。

次年度使用額が生じた理由

大量購入などで予定よりも安価に試薬を購入できたため。

次年度使用額の使用計画

mRNAのノックダウンに必要なsiRNAの作成に使用予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] The role of resistance exercise-induced mTORC1 activation in the regulation of protein synthesis and muscle mass.2015

    • 著者名/発表者名
      Ogasawara R, Makanae Y, Ishii N, Fujita S.
    • 学会等名
      Cold Spring Harbor Laboratory Meeting on Exercise Science and Health
    • 発表場所
      Cold Spring Harbor Laboratory(ニューヨーク、アメリカ)
    • 年月日
      2015-03-09 – 2015-03-11

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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