分子の立体構造を簡便に決定しうる手法の開発は、薬剤や酵素など様々な分子の機能の理解に資するとともに、生命の起源にも新たな知見を与える。本研究では、赤外円二色性(VCD)という分光法を用いて、各種分子の立体構造を解析する手法の開発を行った。その結果、ポリエステルなど高分子の立体構造(二次構造)を解析する手法も確立できた。また、生命進化への関わりが示唆される脂質分子の構造も簡単に決定できることを見出した。VCDを用いることによって、既存の分析法では得られない構造情報も得られるため、各種分子の構造に対する理解がより深まるようになると考えられる。
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