研究課題
本年度は、遺伝学的に薬理活性を持たせるためのシステム作成を行い、検証を行った。外来酵素を発現するトランスジェニックハエを作出し、GAL4/UASシステムで組織特異的に目的遺伝子を発現させた。発現は共発現する蛍光タンパク質によって確認され、さらに酵素活性によって薬理活性を持つ蛍光化合物によって確認された。さらに、他施設の研究者と共同研究を進め、種々の化合物の修飾について依頼している。化学合成については、共同研究者の指導のもと、研究代表者自身も合成・精製を実施した。さらに、本システムをショウジョウバエのみならず、哺乳類のモデル動物へと展開させるために、Cre依存的に目的遺伝子と蛍光タンパク質を共発現するAAVベクターの構築を行った。このAAVベクターをCaMKII-CreERトランスジェニックマウスの海馬にインジェクションし、その後、タモキシフェンを投与することにより、マウスの神経細胞特異的に目的遺伝子の発現を試みた。脳摘出後の観察により、海馬神経細胞に特異的に蛍光タンパク質が観察され、Cre依存的に目的遺伝子を導入することに成功している。さらに、培養細胞を用いて、様々な化合物の薬理活性が外来酵素を発現する細胞特異的に実装できることを確認している。ただし、いくつかの化合物については、修飾基が外来酵素の作用によっても外れない現象を確認しており、修飾基の検討や、ケミカルライブラリーの検討が今後必要と考えられる。
2: おおむね順調に進展している
構想のシステムの実証が行え、化合物の合成についても、外部指導者のもと、合成もしくは依頼にて作成できるようになった。
AAVベクターを構築し、マウスへの応用が可能であることが実証されたため、今後はショウジョウバエのみならず、哺乳類のモデル動物へと展開させる。
予定していた有機合成実験器具が、設置場所の関係で購入延期となったため。
予定の器具を購入する
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