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2015 年度 実施状況報告書

19世紀前半のイギリスにおける功利主義思想の展開――理論と実践の相克――

研究課題

研究課題/領域番号 26704002
研究機関京都大学

研究代表者

川名 雄一郎  京都大学, 経済学研究科, ジュニアリサーチャー (20595920)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワード古典的功利主義 / 国際情報交換
研究実績の概要

今年度は、前年度までの研究成果を踏まえつつ、ジョージ・グロートとジョン・S・ミルの思想と実践的活動およびそのコンテクストについての分析をすすめた。グロートについては、ブリティッシュ・ライブラリーに収められている手稿類(グロート・ペーパーズ)の包括的な読解・分析を進めた。とりわけ、グロートの手稿のうち、1830年代までの時期の手稿類を同時期の彼の公刊されている政治言論活動の内容と合わせて検討しながら、彼の政治思想の成立過程、とりわけベンサムやジェイムズ・ミルとの関係について分析した。この成果については現在論文としてまとめており、次年度以降に公表したいと考えている。なお、このグロート・ペーパーズについては、前年度および今年度の作業によって、収集・整理についてはめどがついたものの全体の詳細の分析は次年度以降も引き続いておこなっていく必要がある。
ミルについては、『論理学体系』の詳細な分析をおこなうとともに、研究動向の把握につとめ、その成果は公刊した研究動向論文に取り込まれている。『論理学体系』については、有志でおこなっている翻訳作業の成果に依拠しながら、内在的な分析をすすめ、これまで十分に検討されずに誤解されることの多かった彼の論理学・科学哲学上の概念について、その意味を彼の議論に即して明らかにするとともに、それらの概念が、彼の『論理学体系』以外の著作においてどのような展開されているかを検討した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2年目にあたる今年度は、資料収集の進展状況によって、個々の論点の検討の進め方にいくつかの変更が生じた。また、それにともなって、今年度に予定していた論文の執筆作業が遅れている。その他の作業も含めて、単年としてみると今年度の進捗は芳しくなかった。ただし、前年度に前倒してすすめていた作業もあったので、2年目終了時点として全体的にみれば、研究課題はおおむね順調に進展していると判断している。

今後の研究の推進方策

次年度は、遅れている論文・著書執筆作業をふくめ、成果の公表に重点を置いていく予定である。
また、次年度前半に国内外で研究者との研究情報交換の機会を多めに確保しており、その成果によって研究計画を柔軟に微調整していくつもりである。

次年度使用額が生じた理由

年度末に本補助金を使用しての国内学会・研究会への参加を予定していたが、別の助成金を用いたために、本補助金に余剰が生じた

次年度使用額の使用計画

今年度の余剰金については、次年度のものと合わせて、次年度前半に予定している研究情報交換のための国内旅行のために用いる予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] J・S・ミル研究の現在2015

    • 著者名/発表者名
      川名雄一郎
    • 雑誌名

      ヴィクトリア朝文化研究

      巻: 13 ページ: 102 128

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公開日: 2017-01-06  

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