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2022 年度 実績報告書

形態学・技術学・分業論からみたアジア沿岸地域の紡織考古学研究

研究課題

研究課題/領域番号 26704009
研究機関福井大学

研究代表者

東村 純子  福井大学, 学術研究院教育・人文社会系部門(総合グローバル), 准教授

研究期間 (年度) 2015 – 2022
キーワード機織 / 腰機 / 織物 / 女性 / 考古学
研究実績の概要

出土繊維製品の組織の特徴と機の構造との関係について、これまでの調査内容を包括的に検討するとともに、残された課題について補足調査を行った。昨年度に引き続き、彦根市稲部遺跡出土繊維製品の織り組織の分析と織り技法の復元的考察を進めた。経三枚綾の組織により織り出された綾杉文とともに観察される、市松文の組織について検討し、織り技法の再現を試みた。ごく一部に観察される不規則な組織については、経糸の開口操作の過ちによるものと推定でき、機の構造のみならず、織手の技能にかかわる議論へと展開できそうである。また、尼崎市水堂古墳出土の靫(ゆき)の調査を行い、織り組織を観察・記録した。
続いて、沖ノ島祭祀遺跡出土の金銅製紡織具の調査を実施した。沖ノ島祭祀遺跡の金銅製紡織具については、従来、麻の製糸具である「タタリ」として分類されたものの中に「綛かけ」が存在することがわかり、また、少数ではあるが、有機台腰機を構成すると考えられる部品の重要性を認識した。国宝金銅製高機を含め、個々の紡織具の資料解釈を進めていく必要がある。
この他、徳島市や勝山市において紡織にかかわる民俗例の調査を行った。勝山市ではNPO法人ゆめおーれ勝山の協力を得て、麻の栽培から製糸、腰機による布の製織までの工程と技術に関する聞き取り調査を進め、実演を交えた意見交換を行った。また、腰機の技術と布の規格との関係について、『国立歴史民俗博物館研究報告』235のなかで報告した。ラオスや台湾の腰機の民族例との比較により、古代日本の女性たちが保持した腰機の技術の形態が、律令国家により規定された布の規格の由来となったことを考察した。

現在までの達成度 (段落)

令和4年度が最終年度のため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和4年度が最終年度のため、記入しない。

次年度使用額が生じた理由

令和4年度が最終年度のため、記入しない。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 腰機と女性-古代日本の布の規格に関する考察-2022

    • 著者名/発表者名
      東村純子
    • 雑誌名

      国立歴史民俗博物館研究報告

      巻: 235 ページ: 387-400

    • 査読あり

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公開日: 2024-03-28  

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