本研究は日本国内の4機関(国立民族学博物館、天理参考館、リトルワールド、松永はきもの資料館)の米国先住民ホピ製資料を対象として、研究代表者、所蔵機関担当者、ソースコミュニティの人々(SC)の3者で熟覧を行った。それにより二つの異なるコンテクストにおける知(資料情報・伝統的知識)の在り方の差異が明らかとなった。また、熟覧映像は民族学博物館におけるこれまでにない一次資料(映像そのもの)かつ二次資料(モノ資料に関する補足資料)と化した。両者の「再会」は異文化のモノの理解を深めるきっかけになったばかりか、博物館における「メディアとしての人間」の存在意義を気づかせる重要な契機となった。
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