研究課題/領域番号 |
26705005
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
櫻田 和也 大阪市立大学, 都市研究プラザ, 特任講師 (70555325)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | オペライズモ / 社会調査法 / 調査方法論 / 国際情報交流 / イタリア |
研究実績の概要 |
オペライズモにおける社会調査の方法論的固有性の解明を目的とする本研究は、第二年度、これまでに入手した一次資料の分析と類型化とを基礎に、アムステルダム・チューリヒ・ミラノ・トリノなどの文書館で追加の資料調査を行い、労働史専門家らとの研究交流を重ねた。これにより、初年度に注力したオペライズモ前史の解明に加えて戦後史の文脈においてマルクスの労働者調査が再発見される契機とその射程とを再確認することができた。 すなわち、デトロイトからパリを経由して Danilo Montaldi はクレモナ地域調査をはじめとした下層プロレタリア調査にたずさわり、また、この方法論が Raniero Panzieri, Romano Alquati らの Quaderni Rossi 誌上での FIAT 工場労働者調査の他、Mario Tronti, Antonio Negri ら Classe Operaia 誌上のマルゲーラ港湾調査などに受け継がれ、オペライズモは確立されたのである。また、我々になじみ深い戦後大阪における社会調査事例の蓄積を対照群として比較検討するため、大阪市立大学経済研究所文庫の所蔵する調査史のコレクションから計601点を抽出し、研究スペースに申請貸出資料として押さえることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
戦後大阪の調査事例があまりにも厖大であるため、オペライズモとの比較方法論的な視角からの分析はまだ十分には出来ていない。
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今後の研究の推進方策 |
調査事例の分析精度にこだわるのではなく、方法論的固有性の解明に注力する。
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次年度使用額が生じた理由 |
チューリヒ大学が旅費を先方負担してくれたから。
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次年度使用額の使用計画 |
現地調査計画を見直して、次年度以降の旅費その他に使用する。
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