オペライズモにおける社会調査の方法論的な固有性の解明を目的としたこの研究ではオペライズモ最初期の1950年代にマルクスの労働者調査が再発見された契機とその射程とを大西洋を超えた知的交流史の視角から明らかにし、社会調査の過程で階級的敵対性のただなかに身をおく点にこだわるその方法論の社会調査史における正当な評価を試みた。調査研究において、理論化の主体はふつう研究者であるものと自明視される。これに対してオペライズモの方法論においては、労働者の知性があらかじめ前提とされた。現実の調査実践の現場では様々な問題を生じうるが、少なくとも方法的態度としてモンタルディ以来の揺るぎない固有性をここに同定できる。
|