研究成果の概要 |
視覚において、「目の前に存在する物体」を表象するための顕在的な知覚と、「消え去った物体」を保持するためのワーキングメモリには、共通した容量制約が見られる(Tsubomi, et al., 2013, J. Neurosci)。本研究では、容量制約が引き起こされる心的・脳機序について、心理学実験と脳波実験を通じて検討した。その結果、(1)目の前に存在する物体に対しては、マスクに弱い心的表象と強い心的表象の二種類が存在し、マスクに強い表象がワーキングメモリと同様の容量制約を示すことを見出した。また、(2)ワーキングメモリの表象は、課題目標が達せられると1秒以内に自然と忘却されることを見出した。
|